漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

WeatheringTogether

去年、私の誕生日🎂に、診療所HPにupしたblogをもう一度upします。内容は『天気の子』を観た時の感想、『生理は脳が起こしている』です。映画は、面白くて(^^)楽しくて(^.^)分からなくて(^_^;)?、3回観てやっと理解できました。ン、これは『君の名は』かな?? ┅。でも、blogは3回シリーズで書き、英語の題名『Weathering   With  You』の事は、3回目のblogの中で取り上げました。

そして、新型コロナウイルス問題の渦中にある~今だからこそ、まさに、『Weathering Together』だと思います。今回の新型コロナウイルス、天災ではないかも知れませんが、いずれは人類に降りかかる自然事象の一つ。100年前の通称スペイン風邪の時とほぼ同じ状況と思われる政府の対応、マスコミの報道の仕方、人々の行動の在り方。しかし、過去の人々が乗り越えてきた事象を、現在の私達が乗り越えられない訳がない。過去の感染症の歴史をみても、今後の第2波第3の波は避けられない状態。まさに『Weathering Together~皆で立ち向かう』です。(人類と感染症との関わり及び新型コロナウイルスと妊活に関連する話題は、4月からblogに随時upしています。そちらも是非とも読んで下さい^.^)

今回の問題を通して、新型コロナウイルスに対する免疫力upのための養生(食事・睡眠・運動)はとても大切ですが、すべからくは妊活につながる道だと、改めて強く心に感じました。

因みに、私は当初『Weathering With Together』と思っていましたが、with(前置詞)とtogether(副詞)は同じ意味だと患者さんから指摘され、それで『Weathering Together』にしました。んん、『Weathering With Us』でも良いのか┅??

以下は、以前upしたblog を加筆修正をしたものです。

3回目の『天気の子』を観ての感想は、やはり「病は気から」、そして「生理も気から」との印象でした。映画の中に『心は空とつながっている』という言葉がありました。言い換えれば、『生理は心とつながっている』です。さまざまな要素からなりたつ生理。体の問題(身長・体重・体脂肪・体調・疲れ等々)と同じくらい、もしくはそれ以上に心(精神)の状態(妊活・仕事・生活等のストレス)が強く反映するのが、生理だと改めて強く感じました。

この『天気の子』。英語の題名は『Weathering With You』。単純に『Child of Weather』ではないのです。勿論、Weatherは天気の意味ですが、Weatheringには困難を乗り越えるとう意味もあるそうです。人類の長い歴史の中で、幾度となく人々を襲ってきた台風や大嵐、豪雨や豪雪などの自然災害。また幾度となく繰り返されてきた細菌やウイルス等の感染症との戦い。漢方の歴史もその感染症の戦いの中で生まれました。そして、皆が一緒になり協力してそれに立ち向かい、困難な状況を乗り越えていく。『Weathering』は、このような経緯の中で生まれた育った言葉であり、意味なのだと思います。

それは、ある面では現代の不妊治療にもつながります。ただただ不安感を煽り心を焦らす世間の風潮の中、それでも、それに流されず自らの意識を MINDSETして、『妊娠して、絶対に子供を産もう』という “強い心” を持つことが大切だと思います。昔から不妊症の人はいました。しかし、これといった有効な治療のないまま、『35歳からは高齢出産、少しでも早く子供を作りましょう』との世の流れでした。高度生殖医療が進んだ今現在も、その流れは何一つ変わっていません。

40数年前、体外受精が世界で始めてイギリスで成功する以前より、妊娠は体全体を治すことが大切だとの考えで、父が日本での漢方不妊治療を始めました。当時は、西洋医学でも不妊治療といえばAIH(人工授精)くらいしかなく、まして東洋医学(薬局漢方を含め針鍼灸)では父くらいでした。勿論、『妊活』などという言葉もないころです。卵管閉塞の人のために始まった体外受精は、今は不妊治療の主流になっています。その高度生殖医療は現在多いに発展しましたが、妊娠率の伸び悩みでか、最近ますます考えや検査が大局を忘れ局所化しているように思われます。

日々の診療を通して感じるのは、今の高度生殖医療にかかわる医療従事者のほんの一部しか体全体のことを考えていないということです。体があっての子宮・卵巣であり、子宮・卵巣があっての体ではありません。妊娠する場所は子宮・卵巣ですが、妊娠・出産は体全体でおこなうものです。晩婚化が進み出産年齢が高齢化したのは事実ですが、この短い期間の中で、そして長い人類の歴史の中で、人間の体の仕組みは何一つ変わっていません。

漢方医学は体の局所にとらわれずに、体全体の大局を診て局所の病気を治す医学です。咳一つ取ってもそうです。漢方には『五臓六腑みな咳せしむ、ひとり肺のみに非ず』という言葉があります。咳は、体のあらゆる臓器が原因になって起こり、肺だけの原因ではありません、との意味です。その意味では体全体を診て、個々の体の不調( 生理不順や生理痛、体の結果として作られる基礎体温の乱れ。日常茶飯事にみられる便秘や頭痛もしくは性交痛やPMS等々。)を、一人一人に見合う漢方薬で治し妊娠に導く漢方治療は、こと不妊症においては無くてはならない存在です。

漢方には、『随症療法』という言葉があります。個人個人体質が違うので、各々の『症』に見合った処方をすることが、不妊治療にとっては重要です。また、日本漢方は腹診を得意とします。腹診には、問診や脈診・舌診そして理論だけでは説明がつかない、妊娠に必要な情報が隠されています。その上、妊娠する場所はそのお腹です。父は、日々の診察を通して、妊娠しにくい人のお腹は硬く、妊娠しやすい人のお腹は軟らかいことに気づきました。漢方薬で『冷え』と『於血』を改善し、患者さんの本来備えている『腎気~腎精』を高め妊娠しやすい『突き立てのお餅のお腹』にすることに、全精力を注ぎました。不妊症で良く用いられる『当帰芍薬散』はそのように治療を行い、最後に用いる仕上げの薬です。

排卵→生理。低温期→高温期。妊娠→出産は一つの自然の流れです。人間が生きていれば結果として自然に起きる現象であり、それは人間の持つ自然の流れです。その自然の流れが乱された時、そこに何かしらの障害があるはずです。その障害を取り除くことが、自分自身が本来備えている妊娠力を高めることになるのです。

現在の不妊症の治療をみていると、AMHが低値→直ぐにも閉経します→一刻も早く体外をしましょう┅、患者さんの心を焦らせる不妊治療のなんと多いことでしょうか。妊娠は最後は出産しなくては意味がありません。そのための体作り母体作りです。焦る心だけでは体は追いて来てくれません。

排卵も生理も、気持ちに左右される部分が大きいと思います。それは、生理が、視床下部の指令(脳)→排卵(卵巣)→生理(子宮)の流れの結果として、起こるものだからです。高度生殖医療も妊娠・出産という流れの中では、一つの通過点に過ぎません。自然妊娠にしても高度生殖医療にしても、最後の目標は患者さんが子供を授かることです。

自らの体を省みて、まずは妊娠・出産する母体作りを行うことが大切です。そして、いつも診察で話すことは、漢方薬を服用することも当然大切ですが、食事・睡眠・運動の養生も大切ということです。一日30品目食べることを意識する。最低6~7時間は寝ること。週2回は必ず運動をすること。そして、仕事や生活の上でのストレスは最小限に止め(難しいことですが┅)、決して仕事で無理をして体調を崩さないことが大切だと話しています。

このような何気ない日々の生活を意識することが、自らの体に備えている『自然力』を高めていくことになるのです。そして、それが患者さん一人一人の持つ『妊娠力』を高めることにもなり、結果として、良い排卵、良い生理となり、良い妊娠、良い出産へと結びつくのだと、日々の診療を通して感じています。

今回の新型コロナウイルスの問題を通して、日々の何気ない養生(食事・睡眠・運動)に払うことが如何に大切であり、それが免疫力をupして感染予防につながり、同時に自らが備えている妊娠力をupして妊娠につながるのだと、痛感しました。