[vol.2]人工授精2回、体外受精1回、黄体機能不全の不妊、
冷えを治して妊娠
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初診・出産年齢・服用期間
36歳
37歳
4か月
初診前の状況について
この方は、一度妊娠の経験がありますが8周で流産しています。人工授精2回、体外受精1回を試みましたが、妊娠には至らず、黄体機能不全と診断されました。不妊検査では特に異常はなったとのことです。高齢であり一刻でも早く子供が欲しいと来院されました。子宮筋腫を指摘され経過観察中です。
診療と診断
身長167cm、体重54.5kgと大柄なタイプ。月経は順調。基礎体温は、低温相高温相がはっきりせずガタガタしています。疲れやすく、冷え症でガスが多く腹鳴やお腹の張りを訴えます。腹診をすると、ガス腹でお腹はやや硬く鼠径部の突っ張りが認められました。冷え症であること、またガスを認めることから、当帰四逆湯に附子、香附子、蜀椒を加味し投与しました。
2か月後、お腹のガスが軽減し、基礎体温では、はっきりとした高温相が見られるようになりました。3か月後、鼠径部の突っ張り、ガスは、さらに軽減しました。約4か月の服用後、検査薬で妊娠反応があったと報告がありました。その後は順調に経過し、自然分娩にて男児を出産されました。
治療のポイント
この患者さんは、西洋的検査では、特に異常はなく、黄体機能不全と診断されていました。不妊の原因がよくわからない、いわゆる機能性不妊に漢方はよく効果をあらわします。漢方の診断では、冷え症で鼠径部の突っ張りが見られる当帰四逆湯の証を呈していました。当帰四逆湯で冷えを改善し、血液の流れをよくすることで、妊娠・出産まで至ることができたのでしょう。
処方した漢方薬
(
しもやけがよくできる、冷え性の人に。
血流をよくし、身体を温めます。
当診療所では、おひとりおひとりの体質や状態に合わせて、生活習慣や食事、服装などの詳しいアドバイスも行っています。あなたの今の健康状態を丁寧に評価し、それに基づいてオーダーメイドの漢方処方を行います。症状が似ているからといって、市販の漢方薬を安易に服用するのは危険ですのでくれぐれもご注意ください。初診のご予約はオンラインでもお電話でも結構です。お電話でもお気軽にご相談ください。