初診・出産年齢・服用期間

36歳


37歳


5か月

初診前の状況について

大学病院不妊専門科を受診し黄体機能不全と診断されています。第二子を希望して来院されました。

診療と診断

身長170cm、体重58kgと大柄。月経は順調ですが、第一子出産後月経周期が25日前後と短くなったとのこと。月経前症候群としてイライラがあり、また胃腸が弱く疲れやすいといいます。この他にも、冷えのぼせ、足のほてり、首・肩の凝り、腰痛、頭痛、頭重感、めまい、立ちくらみと多くの訴えがありました。腹診すると、下腹部が軟弱で臍下不仁です。そこで、腹証より当帰芍薬散合八味地黄湯を投与しました。
通院を初めてまもなく一度妊娠しましたが、残念ながら8週で流産しました。流産後は、卵巣・子宮の回復のために加味逍遙散を3週間ほど投与し、その後は当帰芍薬散合八味地黄湯を継続しました。同薬方を約4か月服用後に妊娠の報告を受けました。妊娠後は流産予防の芎帰膠艾湯を9週まで服用し、女児を自然分娩にて出産されました。


治療のポイント

来院後すぐの妊娠が流産となったのはまだ体の準備が出来ていなかったのでしょう。流産後は次の妊娠に向け、加味逍遙散を投与しました。加味逍遙散は緩和な駆瘀血剤と気をはらす理気剤をあわせもち、精神不安を緩和する働きがあります。精神が安定するとともに体力が回復し卵巣・子宮の機能の回復も期待できます。

処方した漢方薬

加味逍遙散かみしょうようさん
当帰芍薬散合八味地黄湯とうきしゃくやくさんごうはちみじおうとう


加味逍遥散

加味逍遥散かみしょうようさん

更年期の薬で良く知られていますが、本来は気血水を整え戻す薬です。
流産後や産後の体調回復にも用いられます。



当診療所では、おひとりおひとりの体質や状態に合わせて、生活習慣や食事、服装などの詳しいアドバイスも行っています。あなたの今の健康状態を丁寧に評価し、それに基づいてオーダーメイドの漢方処方を行います。症状が似ているからといって、市販の漢方薬を安易に服用するのは危険ですのでくれぐれもご注意ください。初診のご予約はオンラインでもお電話でも結構です。お電話でもお気軽にご相談ください。