TOP患者さんからのお手紙 > 患者さんからのお手紙(令和元年 8月)

患者さんからのお手紙

不妊症 患者からの出産報告掲示板

D・Kさん 29歳(初診時) 多嚢胞性卵巣症候群、排卵障害の不妊、瘀血を改善して自然妊娠

おかげさまで可愛い娘を出産することができました。先生には体質改善の漢方の処方だけでなく誰にも言えないような気持ちを聞いて頂き、気持ちの面でもサポートして頂きました。

診療所の優しく穏やかなスタッフの皆さんや漢方の匂いも大好きでした。本当に有難うございました。


─この方への治療─


初診時、腹診で瘀血の圧痛点が著明であり、またガス腹で性交痛もある事から、血府逐瘀湯と折衝飲を隔日投与とした。翌月の2診目、瘀血の圧痛点はだいぶ良くなったが両方とも飲み易いとの事で同処方を継続。3診目、折衝飲がとても飲みにくくなったとの事、ガスも減ってきた事を考慮し血府逐瘀湯のみを投与。8月の第5診目、瘀血の圧痛点もほぼ痛くなくなり、お腹も腹部軟弱(突き立のお餅)の状態になったため当帰芍薬散を処方。ただし、瘀血が完全には無くなった訳ではないので、血府逐瘀湯との隔日投与とする。その際、通院している病院からご主人の精液が少なく顕微授精を勧められているとの話があり、瘀血もほぼ無くなり、お腹も柔らかくなってきたので顕微授精も良いと話した。が、その一か月後に自然妊娠しましたとの嬉しい報告があった。(服用期間5ヵ月)

この患者さんの妊娠の様子をみると、漢方不妊治療のまさに典型だと思います。まず、漢方では冷えと瘀血を直すことが第一。血府逐瘀湯も折衝飲も冷えと瘀血を一気に両方を改善しようとする処方です。違いは、ガスが無い人が血府逐瘀湯、ある人が折衝飲。ガスが有ると性交痛がでやすいのが特徴です。瘀血の改善としては血府逐瘀湯が勝っています。

味の変化も重要です。瘀血が体内を巡っていると、薬が体に必要となり飲み易い。瘀血が改善すると必要が無くなるので不味くなる。この患者さんも途中から折衝飲が飲みにくくなりました。

腹証の変化もとても大事です。産婦人科や不妊症で有名な当帰芍薬散は腹部軟弱となった最後の仕上げの薬です。冷えや瘀血やガスを改善してから服用しないと、折角の名薬も効果を発揮できず、宝の持ち腐れとなってしまいます。やはり、漢方は『証』に合わせて薬をだすことに就きます。

最後に、この患者さんはご主人の精子の状態から顕微授精を勧められながらも自然妊娠しました。生理のことを『健康のバロメーター』と言いますが、精子の状態もそれに近いものがあると思います。男性も妊娠に向けて、食生活や運動など普段の生活習慣を見直すことが大切だと思います。


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