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患者さんからのお手紙

不妊症 患者からの出産報告掲示板

R・Sさん 33歳(初診時) 多嚢胞性卵巣症候群の不妊、結婚6年目で待望の我が子を妊娠・出産

玄和堂診療所、寺師碩甫先生、スタッフの皆様

拝啓
爽秋の候、皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。昨年3月から大変お世話になり、ありがとうございました。玄和堂に通い始めて半年、結婚6年目にして待望の赤ちゃんを授かることができました。

通院中は寺師先生スタッフの皆様のお人柄、診療所の温かい雰囲気のおかげで、前向きな気持ちで過ごすことができました。また妊娠してからも漢方を処方していただき、大きなトラブルもなく穏やかに過ごせました。

生まれてきた赤ちゃんは3500g越えの本当に元気な男の子で、毎日すくすくと成長しています。息子の笑顔を見る度、この子に出会うことができて本当に良かったと思う毎日です。お手紙が遅くなってしまいましたが、生後120日目にお食い初めを終え一段落しましたので、お食い初めの時の写真を同封させていただきます。

みな様のご健康と気診療所の益々のご繁栄をお祈り申し上げます。


─この方への治療─


多嚢胞性卵巣症候群および高プロラクチン血症を指摘されている。ホルモン療法によるタイミング法を試みたが妊娠に至らず、漢方服用にて妊娠を希望され来院された。

腹診すると冷えによる鼠径部の突っ張りおよび瘀血が認められた。まずは当帰四逆湯および温経湯を投与。一か月ほど服用すると、鼠径部の突っ張りが取れたため、温経湯のみを継続とする。約6ヵ月の服用にて自然妊娠された。妊娠後は流産予防に芎帰膠艾湯を投与。その後当帰芍薬散料を出産まで服用。順調に経過し、無事男児を出産された。(服用期間6ヵ月)

多嚢胞性卵巣症候群(PCO)は、ここ数年、温経湯と六味地黄丸料を併用して治った患者さんが何人かいます。私も最初、PCOは治らない病気と思っていましたが、実際、通院中の病院からPCO特有のリング状の卵胞が超音波検査で見えなくなった。毎月の生理が周期的にキチンと来るようになったという患者さんが何人かいます。

最近では、PCOは体の内面(深部)の冷え、要するに子宮・卵巣を含め腎が冷えているために起きるものと考えています(漢方では腎陰虚)。ですから、「六味地黄丸料」で腎の内面(深部)の冷えを改善し、「温経湯」で脳下垂体からの指令が卵巣に伝わりやすくすれば、結果として排卵・生理が順調に進むのです。

また、PCOの人は妊娠しにくいだけであって、妊娠しない体ではありません。PCOの人達は卵巣の皮膜が厚いので、成熟卵胞の中の卵子が皮膜を破れず排卵しにくいのですが、排卵しないわけではなく、年に数回は排卵します。そして、その排卵のタイミングで妊娠してもおかしくありません。事実、年に数回の排卵時期にタイミングを合わせて妊娠した患者さんがいます。

実際、妊娠したこの患者さんも、服用半年間でPCOの改善にまでは至りませんでしたが、7診察目(初診からほぼ半年目)が、前回の生理からは50日目で卵の白身っぽいオリモノが増えていました。排卵のチャンスと思いタイミングを取るように話をして、その結果、自然妊娠しました。

確かに、冷えのぼせの改善でPCOが治り、毎月、生理が来るようになるのが理想ですが、PCOが治る以前でも、排卵時のオリモノに注意しタイミング合わせが出きれば、自然妊娠しておかしくはないのです。


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