[vol.15]顕著な瘀血圧痛を認める不妊、瘀血を去り自然妊娠
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初診・出産年齢・服用期間

36歳

37歳

10か月
初診前の状況について
流産を1回経験、体外受精を一度試みましたが妊娠には至りませんでした。不妊のことで非常に悩んでおり、体外受精を視野にいれ子供がほしいと来院されました。
診療と診断
身長156cm、体重44.5kg。腹診すると下腹部はかたく、左右の瘀血圧痛、鼠径部の突っ張りを認めました。腹証から桂枝茯苓丸料を投与。
20日間服用後、左右の瘀血圧痛はやや軽減し、1か月半服用後には、左右の瘀血圧痛はさらに軽減しました。2か月半服用後来院時、採卵して胚盤胞を凍結できたと報告がありました。お腹はやわらかくなっていますがやや軟弱です。腹証より当帰芍薬散料合六味地黄湯に変方。その後凍結卵を戻しましたが判定は陰性でした。同方を2か月半服用後、また瘀血圧痛を認めたので、桂枝茯苓丸料に戻しました。1か月服用後には、右瘀血圧痛はほぼ消失。お腹は軟弱です。そこで当帰芍薬散料合八味地黄湯に変方。その後、瘀血圧痛は左右ともに消失しました。
初診より9か月後、ほてりもなく、お腹は弾力があり良い感じなので、当帰芍薬散単方としました。その1か月後、自然妊娠したと電話がありました。流産予防の芎帰膠艾湯を妊娠12週まで服用し、女児を無事出産されました。

治療のポイント

この方は、顕著な瘀血圧痛点を認めました。まず桂枝茯苓丸料で瘀血を去り、その後当帰芍薬散料で卵巣・子宮に活力をつけ妊娠に至った症例です。
処方した漢方薬
桂枝茯苓丸料
当帰芍薬散料


