初診・出産年齢・服用期間

38歳


39歳


3か月

初診前の状況について

この方は、結婚して7年目になるけれど子供に恵まれないといって来院されました。婦人科で卵巣年齢も含め異常がないか検査しましたが、特に問題はなかったとのことでした。

診療と診断

身長157cm、体重43.5kgでほっそりとしたタイプ。月経は順調。腹診すると腹直筋の突っ張りはありませんが、下腹部がやや硬い所見がありました。身長に比べ体重が少なく虚弱なので、2kgほど体重を増やすように話しました。腹証より当帰芍薬散料を投与し、冷えのために附子、補陰・補血作用のある熟地黄を加味しました。同薬方を約3ヵ月服用後に自然妊娠したとの報告を受けました。その後は順調に経過し女児を自然分娩にて出産されました。

治療のポイント

「婦人の聖薬」ともいわれている当帰芍薬散は、体を温め、血を増やし、体液を調整して卵巣・子宮に力をつける働きがあります。虚弱なタイプで冷え症、貧血の傾向がある場合によく用います。この患者さんは、やせ型で肩こりや目の疲れを訴える虚弱なタイプ。軟弱なお腹では、妊娠し子供を育てることはできません。当帰芍薬散料を服用することにより、卵巣・子宮に力がつき妊娠・出産に至ることができたのでしょう。

処方した漢方薬

当帰芍薬散料

当帰とうき芍薬散しゃくやくさんりょう

体が弱く貧血気味の人に。
血を補い、水毒をとり、胃の働きを促します。
流産止めにも用いられます。


当診療所では、おひとりおひとりの体質や状態に合わせて、生活習慣や食事、服装などの詳しいアドバイスも行っています。あなたの今の健康状態を丁寧に評価し、それに基づいてオーダーメイドの漢方処方を行います。症状が似ているからといって、市販の漢方薬を安易に服用するのは危険ですのでくれぐれもご注意ください。初診のご予約はオンラインでもお電話でも結構です。お電話でもお気軽にご相談ください。