Wideスロースクワットと妊活

今回で、スロースクワットの話は終わりです。
ただし、今回は~ワイドスロースクワット~

アンチエイジング&妊活に繋がる話です。


去年のblogでも、アンチエイジングについて書きましたが (『未病とアンチエイジング』、『卵子の老化とアンチエイジング』を参照)、漢方でいえばアンチエイジングは『腎虚』のことであり、不妊の大きな要因もこの『腎虚』と書きました。

人間には経絡(鍼灸でいえば針やお灸をするところ)があり、その中の腎経が弱くなることを『腎虚』といいます。『腎虚』の一番の原因は老化です。年を取ると女性は閉経を迎え(卵子の残り数にも関係しますが┅)、

男性はEDっぽくなり、夜はトイレに起きるようになります。骨や歯がもろくなって歯が抜け、老眼になり、耳が遠くなり、髪が薄くなって白髪となり抜けていきます。これらは人間の腎の経絡(足→頭)に沿って腎系が弱くなり年を取った証拠です。

そして、不妊症で云えば『卵子の老化』です。この『腎虚』は、年を取ればどんな人でも歩む道であり、誰も決してストップは出来ません。それ故に、漢方薬や針灸及び日常の養生で『腎気』を高め若さを保つことが重要になります。それがアンチエイジングであり、卵子の質を向上させ妊娠につながるのです。

このように、『腎虚』は男女問わずして不妊症にも深く関わります。漢方でいえば、『腎虚』の改善が不妊治療の近道であり、『腎虚』の代表的な薬が『六味地黄丸』や『八味地黄丸』で、男女問わずして用いる薬です。「冷えのぼせ」が特徴的な症状ですが、「冷えのぼせ」については、次回のblogで・・・

さて、表題のスロースクワットですが、下半身の血流を良くするので『腎虚』の改善にも大きくつながります。スクワットは元々下半身の血流を良くしますが、スロースクワットはより血流の流れを良くし腎(内腎・副腎・外腎~泌尿生殖器)に向かう血流を増加させ改善させるので、卵巣機能の向上や子宮内膜を厚くするうえでも優れた運動です。

また、加齢と共に減少するミトコンドリアの数の増加にもつながり、アンチエイジングは勿論ですが不妊治療にとっても良い運動と言えます。

この4ヶ月スロースクワットを続けてきた私の感想は┅

1) 4ヶ月経っても相変わらずキツイです。が、続けられるキツさではあります。(有酸素運動と無酸素運動のちょうど中間の運動という感じです)

2) キツイので、数えるのがつい速くなりがちですので、私は13カウントでスクワットをし、3カウント・キープしています。(これで10秒+2秒位でしょうか┅・・;)

3) 確かに┅、キツイ運動なので、無理なく続けていくには30回週2回より、毎日10回を週に6回行う方が続きやすいかもしれません。時々患者さんから聞かれます。水泳とジョキングとウォーキングのどれが良いですか?? その時は、どれでも良いから続けてね、と答えています。

(私はこの運動を患者さんに推奨した責任として、週2回のスロースクワットは必ず実践しています。スロースクワットのセット間には、腕立て伏せを行っています。筋肉は体全体に拡がり上・中・下⇒腕立て・腹筋・スクワットという感じです。スクワットで腹筋を一緒に鍛えれば、あとは腕立て伏せを加えれば全身の筋肉が鍛えられます。私は最近は余力が出来て来たので、毎日10回のスロースクワットを加えていますが┅^o^;)

この間、患者さんと一緒に、一年間で何回するんだろうねぇ~
と、計算してみました。

毎週60回(30×2又は10×6)、1年は52週なので┅
60回✖️50週で1年間3000回、3年間1万回。

凄い❗❗

0か3000⇒10000回。『塵も積もれば山となる』ですね(*^^*)

さて、この4ヶ月間でスロースクワットに関する

患者さんからの情報

1) スロースクワットをする時には、踵に重心を意識すると、お尻からスムーズに上体が下がり、上半身も後方に引きやすいので膝が爪先から出なくなる。(膝の保護の為には、これはとても重要です)

(私もそれを聞いてから、踵に重心を意識し親指をほんの少し上げる感覚でスロースクワットをしています。そうすると足裏全体が床に密着し下半身が安定し、その分上半身も安定します。同時に腕も前に伸ばしやすく、腰も深く降ろせるようになりました。また、腹筋も意識しやすくなりました。)

2) 女性は足の筋肉の弱い人が多く、太もも(大腿四頭筋)のみでスクワットをしてしまい、太ももが太くなる傾向がある。踵に重心を置く意識を持つと、太ももの内側(内転筋)を使い太ももが太くなるのを防ぐ。

(内転筋を使うことは、下半身の血流を増加させ子宮・卵巣の機能の向上にもつながなります。)

4) 足の幅をより広くすると(ワイド・スロースクワット) 大臀筋により刺激を与え、ヒップアップの効果が向上する。そして、下半身が安定するので上半身がスムーズに移行し安定感もでる。

5) お尻から上げる意識を持つと、大臀筋により強い刺激を与え、より一層のヒップアップ効果が望める。そして、内転筋で主に上半身を上げるので、太ももが太くなりにくく、美容効果としてもワイド・スロースクワットは、最適です(⌒‐⌒)

★ワイドスロースクワットのまとめ

大腿四頭筋、内転筋、ハムストリング、腹筋、背筋、そして大臀筋を鍛え一石六鳥。

下半身の血流を増やし子宮・卵巣機能の向上させる。

体内ミトコンドリアを増やし活性化するので卵子・精子の質の向上を望める。(他力本願でなく、自力で質の良いミトコンドリアを増やし活性化することが重要)

筋肉量アップで代謝を高め脂肪を燃焼させるため体重が減りやすい。

ヒップアップ効果に優れ美容効果にも良い。

こうみると、『ワイド・スロースクワット』は

一石十鳥ですね。

簡単そうにみえる『スクワット』ですが、
実に奥が深い運動です。

無理なく続けるためには、10回毎日の方が続けやすいかも。それに腕立て伏せを加えれば、上・中・下の全身の筋肉が鍛えられます。ワイドスロースクワット10回で3分。腕立て伏せ10回で2分。合わせて一日5分で妊娠に向けての健康な母体作りを実践しましょう。


そして、妊娠しやすい「質の良い卵子、
「質の良い精子」を作るためにも
この『ワイド・スロースクワット』は
非常に良い運動だと確信しています。


私は、診察でいつも患者さんに話しています。
妊娠する場所は子宮・卵巣だが妊娠は身体全体で行うもの、 身体全体を妊娠するベクトルに向けることが大切だと。 その為には、漢方薬も大事ですが養生も重要だと。

この養生の中心は「食事」と「睡眠」と「運動」です。 その運動では、無酸素運動と有酸素運動の中間である『ワイド・スロースクワット』は無理なく続けられ、男女問わずして 体内のミトコンドリアを増やし妊娠力upする上でも 最適な運動といえます。