漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

未病とアンチエイジング~妊活upへの道-3

以前、このブログで、「アンチエイジングと卵子の老化」について書きましたが、その時のキーワードは『腎虚』でした。今回のキーワードは『気・血・水』です。

漢方では「先天の気」「後天の気」という言葉があります。「先天の気」は腎に宿り、「後天の気」は胃腸の力です。この二つの「気」が他の様々な「気」とバランス良く流れることで健康な状態を保ちます。そして、それらが乱れる状態が『未病』であると前回のブログで書きました。

さて、漢方には『気・血・水』という言葉もあります。私は常々漢方は『流体の医学』だと考えています。この『気・血・水』の乱れも、体を『未病・みびょう』の状態から『既病・きびょう』の状態にするものと考えています。

『気』は自律神経や心の問題、メンタルの問題です。現在社会のストレスや不妊治療のストレス等がかかると、気の流れがウッ帯しやすくなります。気の巡りが悪くなると、呼吸がしにくい、息がしにくい、動悸がするなどの症状がでます。また、気の症状には咽中炙臠(いんちゅうしゃらん)という喉の詰まり感ような特徴的な症状もあります。
(「咽中炙臠(いんちゅうしゃらん)~春の気の乱れ~」blog参照)

『血』は人の生命を左右するものです。血液や酸素、ホルモンや栄養物など、人が生きていく上で大事なものを全身にくまなく届けます。特に女性には生理があり、生理不順などで血の流れが乱れやすく、それが瘀血の原因になったりもします。また、男性も不摂生などの影響でメタボになると瘀血が体内に巡ったりします。

『水』に関しては、体の60%は水分で、このバランスの維持が大切です。日本は島国で湿気も高く、体内の水分代謝が上手くいかない人が多くみられます。漢方では体の余計な水分を『水毒』といいます 人間はもともと入って出す構造です。口から入った水分は、汗・尿・便等でしっかり排出されれば問題はありませんが、体内に余計な水分として残ると『水毒』となり病気の原因になったりします。

『水毒』が肺にくると喘息、肌に巡るとアトピー性皮膚炎となります。水は重いので下半身に下ると足のむくみや膝の痛み、子宮・卵巣を冷やして不妊症の原因になったりします。また水毒上昇といって水蒸気のように上に昇る性質もあり頭痛や目眩、立ちくらみの原因になったりします。天気予報タイプの頭痛や目眩はこの『水毒』がほぼ原因です。

人間、若い内は健康を保ち元気に生き、そして元気で健康的に老いることが理想だと考えます。そのためには、前回のブログで書いた『気』(先天の気・後天の気)の流れを正常に保つことと、今回の『気・血・水』の流れを正常に保つことが大事になります。要するに、『未病』も『アンチエイジング』も分けて考えることはなく、どちらも大事なことは日々の生活で養生を心掛けて暮らすことです。

昔から『肝腎かなめ』といいます。肝心と書く人もいますが、人間の機能の面からいえば、やはり肝臓と腎臓が大事な臓器です。ですから、『未病』においても『アンチエイジング』においても、この肝と腎の機能を健康に保つことが大切になるのです。

「肝」には、現代医学での様々な代謝の機能もありますが、漢方医学ではストレスなどにより「肝気」がウッ滞すると体の不調の原因になるとされています。

腎には「生命力」や「子孫を残す力」が宿るとされています。それ故に人の寿命に大いに関係してきます。しかし、腎の力が歳と共に衰えていくのはある面では仕方のないことであり、人として誰にも避けられない道です。老いゆく年齢にストップはかけられませんが、若い頃から『未病』のことを常々考えて日々の生活を送ることが、将来の『アンチエイジング』にもつながるのだと思います。

今回の写真は、月曜日(10月22日)の夕陽です。この日は、日の出から日の入りその後の夜中まで一日を通して雲一つない晴天の日でした。こんな日は、年に数回しかありません。

と云う訳で、今回の写真はその日の”日の入り”の写真です。
(あと数日で、富士山の頂上に太陽が沈む、ダイヤモンド富士の日です)

前回の話の銀座パンダ🐼の写真は次回に(・・、)

ところで、今週来院された患者さんから┅
それでは更年期障害も未病との質問??
肌荒れや肌の染みも未病との質問??

ん~、確かに、
そうかも、と┅。

答えは、次回のブログで

乞う、ご期待(*^^*)