漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

天気頭痛~五苓散&半白天麻湯

今回のblogは、前回の続きのはずでしたが、

患者さんが、診察中にテレビで “今年は天候不順で雨や曇りが多く『天気頭痛』の人が多い“ との話しをしていたとのこと。『天気頭痛』??

でも、良く聞いてみると漢方ではいう『水毒(スイドク)もしくは水滞(スイタイ)』のことでした。えっ、ン、そんなのは、3000年前の昔から、漢方界では有名な事柄┅

ということで、今回は『天気頭痛』の話しをblogに書くことにしました。『気圧頭痛』も関連するか┅

そして、前回書いた、「今年の秋は生理不順が多い」にも関連しますね。

人間の体の60%は水分。それ故に体内の水分のバランスが大切となります。日本は島国で周りが海に囲まれ湿気の多い国です。大陸と違い乾燥地域ではありません。人間の水分バランスは、口から入った水分が汗やお小水、便通でしっかり体外に出れば問題ないのですが、うまく体外に排出されず体内に余分な水分が残ると水毒となります。水毒は体に負担かけ様々な臓器の機能を低下させ病気のもととなります。(ホットヨガ、合う人合わない人~汗の出入りと妊活。水毒と妊娠のblog参照)

水毒が肺にくると喘息、肌にくるとジュクジュク性のアトピー皮膚炎。鼻なら花粉症、関節なら神経痛になるという具合です。水毒は下半身を冷やし不妊症の原因にもなります。要するに、水毒は飲む水が毒という意味ではなく、水分が偏在して体に負担をかけるこにより生じる身体の不都合です。

さて、ここで水は重いので重力により足が浮腫(むくみ)ますが、水蒸気のよう上昇し上半身を上り頭部に到達します。これを『水毒上昇』といいます。水毒上昇した水分が頭の血管に入り頭の拡張させ血管周囲の神経に刺激を与えることにより頭痛が起きるのです。 逆に冬や夏のクラーの寒冷の頭痛は、寒さで血管が収縮して周囲の神経が刺激されて起きる痛みです。また、三半規管などに水分が向かうと、三半規管内部のリンパ液のバランス崩し目眩(めまい)や立ちくらみが生じます。

このような場合、『五苓散(ゴレイサン)』を服用します。五苓散には茯苓(ブクリョウ)・沢冩(タクシャ)・蒼朮(ソウジュツ)という水毒や水滞を改善し、体内の水分バランスを整える薬を中心に作られています。喉が渇き水分を飲むわりにはお小水の回数が少なく、下半身の浮腫(むくみ)やすい人に良く用いますが、上半身の水分バランスを改善して頭痛を治したりします。そして、梅雨時や秋雨の頃に水毒上昇による頭痛や目眩の改善にも効果あります。また、五苓散と黄連解毒湯(オウレンゲドクトウ)を合わせると、利尿と胃粘膜の炎症の改善を促し二日酔い💫😵🍶にも効果があります。

患者さんの中には、『五苓散』を投与して頭痛は勿論ですが、同時に生理痛や生理不順の治る人がいます。これは症状は同じ生理痛や生理不順ですが、根本の原因が違うということです。つまり五苓散でこれなどの症状が改善するということは、その人にとっては水毒が生理痛や生理不順の原因だったということになります。ですから、漢方治療に於いては個人の体質に鑑み、問診、脈診、舌診、そして診断にもっとも大事な腹症を駆使して個々に見合った処方を決めることが大切なのです。

さて、『半夏白朮天麻湯(ハンゲビャクジュツテンマトウ)』という、胃弱で胃下垂で身体の弱い人に用いる処方があります。胃下垂の人は胃の下部が骨盤付近まで下がっている人が多く、そのような場合は胃の底の部分に水分が貯まりやすい状態になっています。その胃の水分が上昇して目眩や立ちくらみもしくは頭痛を起こします。その場合、『半夏白朮天麻湯』の中の半夏(ハンゲ)・陳皮(チンピ)・生姜(ショウキョ)などで胃の機能を改善し、白朮(ビャクジュツ)・蒼朮(ソウジュツ)・沢冩(タクシャ)などで胃や全身の水分を巡らし、人参(ニンジン)・黄耆(オウギ)などで体全体に元気をつけ胃や身体のバランスを整えます。そこに目眩の際ににしばしば用いる天麻(テンマ)を加えて目眩を治します。