漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

未病と更年期障害~2

前回に続き、更年期障害についてですが、今回は、実際に私が体験した症状について書いていきたいと思います。

私が経験した症状は、、数分から十数分続くホットフラッシュが突然襲って来ては去っていくというものでした。ピークの頃は日に何十回もありました。睡眠中にも突然症状が襲ってくるので熟睡も出来ず寝ながらジッと耐え、朝から疲れて切っていました。ホットフラッシュが去った後には、吐き気が込み上げて来て暫く胃に留まり、その後全身に冷や汗をかいて、ドッとした疲れや脱力感が残りました。夜は寝汗をびっしょりかいていました。自分では余り気付きませんでしたが、苦しいのでハアハアと喘ぎ、自然に呼吸も荒くなっていたようです。

このような症状が日に何回もあるので、これが続けば本当に鬱病になってしまうと思いました。ホルモン検査を含む血液検査、X線、心電図、胃カメラ、心エコー、腹部エコー等々様々な検査しましたが特に問題はありませんでした。(今考えると、年代の節目で色んな検査をして良かったかも知れませんが┅)、その当時は、原因が分からず、先の見えない不安でますます気持ちが落ち込んだ記憶があります。

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そのような様子を診療所の従業員が見ていて、『先生、それ更年期ではないですか??』と┅。

『ん、!!』。

そこで、ハタと気付き(正確には、気付かされ…)、更年期障害で有名な漢方薬である『加味逍遥散(かみしょうようさん)』の服用を始めたところ、数ヶ月以上に渡って続いていた苦しい症状が3日の服用でほぼ7~8割方が消失しました。よく漢方で「3年3ヶ月3日飲め」といいますが、薬も合えば3日で効果が現れるものだと実感しました。

加味逍遙散は、昔から婦人の不定愁訴症候群や更年期障害によく用いられてきましたが、女性に限らず、同様の症状を訴える男性にも用いられます。

患者さんの症状は客観的に診れますが、自分の症状はあれこれと悩み考えてしまい、実に難しいものだと思いました。今も時々軽い症状が現れることがありますが、『加味逍遥散』を飲んで、もう歳だから仕方ないと、斜に構えて流すように心掛けています。

歳の節目の「気・血・水」の乱れであり、更年期の症状という事に早く気付いて、薬を飲んでおけばあんな苦しい想いをしなかったと今更ながら後悔しております。

sdr

(熊さんにも、裏表があるのかな~)

更年期は全ての人が通る道ですが、人によってひどく症状が出る人、軽い症状で気づかずに通り過ぎる人と様々です。症状がひどくても病気ではありませんから、いわゆる『未病』と考えてよいかと思います。症状が出たからとあまりストレスを感じずに、うまく付き合えると良いですね。私のように漢方薬を利用するのも良いと思います。

更年期症状の時にプラセンタの注射をしていました。症状が酷い時は注射の針も痛くなく気持ち良いくらいでしたが、症状が良くなってから注射をして貰ったら非常に痛かったのを覚えています…

体に必要のないものは受け付けないのですね。人間の体は本当に素直で正直です。そういえば漢方薬も体の変化で味も変化します。

本当に、「良薬口に苦し」か…??と、日々の診察で感じています♪♪