漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

『天気の子』をみて、 生理は脳が起こしている~妊娠は体全体で行うもの

先日、評判の『天気の子』を観てきました。前作の『君の名』が面白く&理解不能で3回観に行ったので、今回はどんな具合なのかと、期待をもって観に行きました。

感想は…、本当に人間の心は天気に左右されるなぁ~でした。やはり、昔の諺ではありませんが『病は気』から、そして妊娠も『産もうとする気持ちが大事』ということでした。

晴れれば心が弾み、曇りが続けば憂鬱な気持ちになり、雨が続けば一層心が暗くなる。でも、そこに少しの晴れ間が見えれば人は喜びや希望がわいてくる。

私の仕事がらか、健康も、さらに生理もまた天気に大きく左右されるものだと、以前から思っていました。今年みたいに長梅雨だと体調を崩し風邪を振り返したり、ハッキリしない咳が続く人が多くみられましたが、梅雨開けとともに治っていきました。また、最近は朝夕や夜中、少し寒い日もあり油断すると風邪などを引く人もいます。本当に人間の健康は身心共に天候に左右されると感じています。

以前にも述べたように、漢方には『水毒』という言葉があります。人間の体の60%は水分。さらに日本は島国で湿気が多く、体内の水が偏在がしやすいのです。(だから、日本人は乾燥しているハワイが好きなのですネ) 

水気が肺に巡って痰の多い喘息。肌に巡って湿気が多いタイプのアトピー皮膚炎。関節等に巡って神経痛の悪化。また、水は重いので重力で下に下ると足の浮腫ですが、『水毒』は水蒸気のように上に昇る性質もあります。これを漢方では『水毒上昇』といいます。『水毒上昇』により頭の血管を拡張させて頭痛、三半規管に入って目眩を惹き起こします。よく、曇り・雨・台風前などで様々な症状が悪化する天気予報タイプの人がいますが、ほとんどの人がこの『水毒』タイプの人達です。このような天気予報タイプの頭痛には、体の水の巡りを良くする『五苓散』を用います。

また、痩型で胃腸の弱いタイプの人は、胃下垂で胃が下がっているため、胃の底に水気が溜まるので、患者さんに横になってもらい腹診すると、「胃内停水音」といって、胃の辺りが“ちゃぽちゃぽ“と音がします。この水気が『水毒上昇』で頭に昇り頭痛・目眩を惹き起こします。体に水気が多いので常に体に重怠い感じが残ります。今年の梅雨が湿度が高く体も風邪も咳もパッとしませんでしたが、このような人は一年中体が梅雨状態でパッとしないものです。胃腸を強くして水分代謝を良くし目眩や頭痛を改善する『半夏白朮天麻湯』を用います。

人間、夕方などお腹が空くとイライラ⚡⚡します。それは誰でも同じことだと思いますが┅、夕食を食べてお腹一杯になると『まアア、良いかア(^.^)』となります。たとえば胃の弱いタイプの人は、神経の飢餓状態が慢性的に続いているので常にイライラ⚡⚡しています。このような人には胃腸を強くする『四君子湯』、『六君子湯』、『補中益気湯』等を処方し神経に栄養が行き渡るとイライラ⚡⚡感が失くなります。

また胃の冷えを感じる人は、『人参湯』を用い胃腸を暖め消化吸収率を高まると、元気が出て来てイライラ⚡⚡等の症状が失くなります。

次回は、生理と心のかかわりです。

乞う、ご期待