漢方で*赤ちゃん迎える院長blog

更年期障害-1~加味逍遥散(かみしょうようさん)~

最近、30歳代後半から40歳前半の患者さんの何人からこれは更年期障害の前兆ですかとの質問がありました。    

一人は、最近、生理が秋以降に不順気味が続きます。もうすぐ閉経になるのですか??  

一人は、ここ何回か生理が短い時がある。閉経前は生理周期が短目になると本に書いてあったと┅。

別の人は、最近は生理周期が長い時がある。閉経の前兆は生理周期が長くなると書いてあったと┅

他の人からは、ここ数か月の基礎体温。時々1~2週間に1日位、37度を越えることがある37度越えは閉経が近づいている証拠と聞いたことがあり心配だと┅

この30年間、様々な人の基礎体温を見て来たが、閉経に関して一つ言えることは、なにも規則性がないと言うことす。 

まず、生理は健康のバロメーター。様々な要素の結果です。気候や天候、仕事のストレスなどの影響を受けます。今年みたいに朝晩と日中の温度差の激しい時は 自律神経も狂いやすく、生理不順に陥入りやすいものです。

確かに、一番多いタイプは段々と周期が間延びしていつの間にか生理が終わるタイプです。

しかし、中にはある周期でピタリと終わってしまう人もいます。こういう人は、生理が何年何月何日で終わったか覚えていますが、そのような人はそう多くありません。

周期が短目になり終わる人は余り記憶になく、まして閉経前の基礎体温の37度越えは見たことがありません。仮にいたとしても、それが万人に共通とはいえないと思います。

特に基礎体温は睡眠時間と密接に関係しています。患者さんを診ていると、朝の測定時間は一緒ですが、夜、就寝する時間は日によって30分~1時間は違っているということがよくあります。

基礎体温は、もともと睡眠時間の長さにより決まるので睡眠時間が長いと高くなり、睡眠時間が短いと低くなります。ですから、土日なので普段よりゆっくり起きると睡眠時間が長く体温が上がり、旅行で早起きし睡眠時間が短いと低くなります。

また、前日のalcoholも体温を上げます。ですから、平日にalcoholは飲まず、週末だけ飲んで日曜日はゆっくりする人の基礎体温は、日曜日毎にピッと上がっています。

また、冷えのぼせの強い人は寝相が悪く布団の中で夜中動く人が多いので、基礎代謝が下がりきらず基礎体温が不安定な人が多くみられます。

さて、最近の高度生殖医療機関をみるとホルモンの採血が主体で体温を見ない病院が増えて来ました。

私が医学生の頃は、産婦人科の教授先生から、『基礎体温の女性は色々な情報が隠されている。どんな病気の人がきても、まずは基礎体温だけは付けさせ、観察しなさい』と口酸っぱく言われました。

生殖医療という婦人科診療で基礎体温が最も必要不可欠な分野で、基礎体温を見ないのが最先端の生殖医療という先生がいます。

私としては、生殖以外でも健康に関しての様々な情報が隠されている基礎体温を観察しないのは実に勿体なこと思います。

それはやはり、人類の妊娠・出産という長い歴史を省みないためだとも思います。妊娠する場所は子宮卵巣ですが妊娠は体全体で行うもの。そして、最後は出産しなくては意味がない妊娠。

やはり、体全体を俯瞰的に診ることが不妊治療には特に大切なことだと考えます。

更年期障害の本質は、次回のblog「更年期障害~2~加味逍遥散」で┅

(基礎体温の摩訶不思議~子孫を残すための妊娠力up-2は去年のblogに書きました)

今年も、GINZA-6のイルミネーションは綺麗です♪♪

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